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遺品整理アンカーです。私たちスタッフは、このお仕事に長く携わり、故人様とご遺族様との絆、そして、数多くのドラマを目撃してきました。今回のお話は、遺品整理を伊丹市で行った時のお話です。ご依頼者は故人様のご長男で、お父様がお亡くなりになり、遺品整理の作業をお願いしたいとのことでした。お見積りの翌日に作業をさせていただく事になり、当日、私たちが現場に到着すると、すでにご長男も到着されていました。とても気さくな方で、作業中も、私たちの作業を温かく見守ってくださっていました。作業が進み、押入れの天袋のご遺品を片付けながら、お父様のご遺品について、こちらから聞いてみると、大事なものは、すべて取り分けてもらったので、もうこれ以上必要なものはないとの事でした。ご長男は笑顔いっぱいに、作業中の私たちに「ありがとうございます!」「本当に助かります!」と様々な言葉で勇気づけて下さいました。天袋のご遺品もそろそろ片付く頃、一番奥に、小さな箱がある事に気づきました。腕を伸ばし、その箱を取り出し、ご長男にご確認をお願いしました。すると、まだ中身を確認しないまま、「これは必要ないです。」とおっしゃいました。私は、開けてご確認されてからでも遅くないので、念のため、お取り分けしておく旨を伝えました。しばらくして、ご長男は、フタを開け、じっと中身を見ながら、何かを思い出しているご様子でした。作業が無事、終了し、私たちは、プラモデルを前に、ご長男から、そのプラモデルに秘められた過去を教えていただきました。ご長男のお話によると、ご長男は、小学生に上がる直前の年の暮れに、ご両親が離婚され、お母様の元で育てられたとの事です。そして、お母様のお仕事の関係で、引っ越しの繰り返しだったそうです。当然、お父様とも会えず、疎遠になっていたことも打ち明けてくださいました。そのプラモデルは、ご両親揃っての最後のクリスマスの日にプレゼントされたもので、あまりに嬉しくて大はしゃぎしたのを、今でもよく覚えているとおっしゃいました。お父様と二人で完成させる約束をしたものの、ご両親が離婚されたため、途中までしか作れなかったようです。それがフタを開けると、そのプラモデルが、完成した形で箱に入っていたのです。ご長男は静かに、涙を流しながらおっしゃいました。「親父はこれ、俺に渡そうと思ってたんでしょうかね?」私は「きっと、いつか会える日のために作ってらっしゃったのですね。」と答えました。ご長男は深く何度も、何度も頷かれ、今まで言えずにいたお父様への想いを、「親父、ありがとう!」と天国のお父様にお伝えになられていました。私たちは、いつか必ず、人生に別れを告げる日が訪れます。しかし、たとえ命が尽きても、絆は尽きることがないと、そうご長男とお父様から教わった気がいたします。