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遺品整理アンカーです。今回お話をさせていただくのは、池田市の遺品整理での出来事です。伊丹市の遺品整理のお見積りの後、私たちの倉庫で、スタッフと作業の準備をしていると、電話が鳴りました。電話に出ると、何と言ったらいいかわからないので、とりあえず見に来てくださいとの事です。お約束したお時間になり、現場の住所を確かめながら歩いていると、前に通ったことがあったとかすかな記憶がよみがえりました。以前、池田市のこのあたりで、遺品整理の作業をしたことがあったなと思い出しました。そんなことを考えながら、現場に到着すると、間もなくして、女性の方が近づいてこられました。「あ、あのアンカーさん?お待たせしてすみません。中へどうぞ。」そう言って門を開けてくださいました。私は思わず、「これはすごいですね!」と言ってしまいました。門から玄関のドアまでは約10メートルほどでしょうか、ドアがかすかに見えました。かすかに、というのも、雑草が自分の背丈よりも高く、庭一面にそびえているのです。私たちは、何とか、雑草を掻き分けながら、ドアに辿り着き、お部屋の鍵を開けていただきました。その現場は、2階建ての一軒家で、台所、洗面、お風呂場は一階にあり、2階に寝室がありました。故人様は、ご依頼者のお兄様で、10年ほど会っていなかったのに、兄から話したいことがあると言われ、来てみると、2階の寝室でお亡くなりになっていたそうです。妹様は「幸い、発見が早かったので、まだ、よかった方です。」と、おっしゃいました。そうお話になりながら、目を真っ赤にされている妹様に心が痛みました。2階から状況を見させていただく事に決め、階段をのぼり、お布団が敷かれたままの和室に入りました。すると、お部屋の角に、洗面器が置いてあります。中を覗くと、満タンに水が溜まっています。天井を見上げると、ところどころに空が見えました。明らかな雨漏りでした。雨水は畳に染み込み、敷かれたままのお布団にまで届いていました。お兄様は、この、濡れたお布団の中で亡くなられていたそうです。生前、どういうお気持ちで、このお布団で眠りについていたのか、考えると、本当に胸が痛みます。涙をこらえながら、ご遺品の量を見るため、他のお部屋に足を向けると、床がミシミシと音を上げ、今にも床が抜けそうな勢いです。何とか他のお部屋に辿り着き、物量をチェックさせていただきました。やはり、このお部屋も雨漏りが見受けられました。雨漏りの被害は1階でも起こっており、お家全体が危険な状態でした。私たちは、提携している、リフォーム業者と連絡を取り、屋根の補修と、雨漏りの補修が可能か見てもらいました。リフォーム業者の職人さんが、お家の庭周りにあった工具を見て、「ここの方、たぶん、僕らの同業だったんでしょうね。」と言いました。確かに建築資材や工具が裏の倉庫からたくさん出てきました。妹様が職人さんの言葉を聞き、「家が、こんな状態で恥ずかしくて言えませんでしたが、そのとおりです。」とお答えになられ、倉庫の裏にあった看板に目を向けておられます。よく見ると、消えかかった字には、リフォーム○○と読めます。それを見て、生前、お兄様様がご活躍されてたであろうお姿が、提携業者の職人さんと被って見えました。お兄様は、現場での作業中に、お怪我をされて、引退されたとお聞きし、それからのことは詳しく知らないと妹さまがおっしゃいました。僕は個人的な考えですが、妹様に思わず言ってしまいました。「おそらく、お兄様は、怪我さえしていなければ自分で補修したい、自宅となればなおさら、その想いは強くお持ちだったのではないでしょうか。」と。あくまでも個人的な意見ですが、「話したいこと」とはこのお家をどうしたらいいかというご相談だったかも知れないと付け加えました。妹様は、涙を流し、「間に合わなくてごめんね。」ごめんねと何度も繰り返され、遺品整理をきっちりしてあげたいとおっしゃいました。私たちが必ず、きっちりやり遂げるとお約束させていただき、補修工事と遺品整理の二日工程をご提案させていただき、補修工事、遺品整理作業共に、無事終了しました。予定より作業が短縮できたので、草抜きもさせていただきました。壊れた屋根と抜け落ちそうだった床の部分は、提携業者の職人さんの協力で、きれいに補修してくれました。職人さんいわく、「ほとんど、倉庫の中のもので何とかなりましたよ。おかげさまで、職人魂に日がつきました。」妹様は前日、「兄の持ち物で何とかなるなら、兄も喜ぶだろうから、ぜひ使ってあげてほしい。」とおっしゃっていました。さらに職人さんは、「補修工事中、さすがに、あれはないだろうなと思ったものが、あるのでびっくりでした。なんか応援してくれている気がしました。」と付け加えました。そのお話を、微笑ましくお聞きになる妹様を見ると、私たちの心も晴れ晴れとした気分になりました。